2026.3vol.59
本日は日常良く耳にする「敏感肌」についてお話ししようと思います。
敏感肌と言っても先天性の敏感肌、後天性の敏感肌、そしていわゆる自称敏感肌の3つに大別することができます。
まず先天性の敏感肌は生まれつき皮膚のバリア機能が弱い状態を示します。体質的要因が大きく関与し、外部刺激に対する反応が出やすく、少しの摩擦や温度変化、化粧品の成分で赤みやかゆみ、痛みを生じやすい皮膚です。アトピー性皮膚炎はその代表例です。
体質を変えることは困難なので、症状が出ている場合は治療し、今後症状が出るのを予防すること、具体的にはバリア機能を補うケアを継続的に行います。保湿剤、セラミド配合の化粧品、敏感肌用と書いてある刺激の少ない製品をお使いになると良いでしょう。
つぎに後天性の敏感肌です。もともと問題の無い皮膚が生活習慣や環境要因で後天的に過敏な状態になっている状態を示します。精神的ストレス、ホルモンバランスの乱れなどの内的要因が原因になることもありますが、ほとんどは日焼け、マッサージや過度な洗顔やピーリング、合わない化粧品の使用やかぶれなどの外的要因が原因となります。これらの原因により炎症が生じて一時的に角質層が乱れることで刺激に弱くなります。
後天性敏感肌の場合はまずは皮膚科を受診して適切に炎症を抑える治療を行いましょう。原因を突き止めてしっかり除去することにより症状が軽快したら、普段通りのケアで大丈夫です。季節や肌質に合わせた化粧品を使いましょう。
最後に自称敏感肌です。近年とても増えていると感じます。自称敏感肌は、自覚症状はあるけれど医学的に皮膚の異常が確認できない敏感肌を指します。典型的なケースは、少し皮膚に赤みが出たので敏感肌だと思い、普段のケアで様子を見るも治らないので心配してインターネットで「敏感肌」を検索し、様々なケアをするも皮膚に合わずに悪化してしまい皮膚科を受診する、といった患者さんです。
実際には皮膚のバリア機能に異常が見られないのに皮膚に合わないケアを続けたことで悪化してしまっているのです。
また、若い頃は脂性肌だったけれど年齢を重ねて乾燥肌になったのに脂性肌のケアを続けている方、また夏に皮脂がたくさん出るのが気になったらからと冬になってもずっとさっぱりしたケアをしていて乾燥してしまう、という自称敏感肌の方もあります。
どの方も本当の皮膚の状態を見ずに思い込みでのケアが悪化に繋がっているのです。
まずは自分の皮膚の状態を知ることが最も重要です。その上で、余計なことはせずに自分の皮膚に合わせたケアをしっかりすることが大切です。脂性肌、乾燥肌・・・さまざまな肌質に合わせた化粧品がありますので合う製品を使いましょう。季節に合わせて夏は紫外線ケア、冬は乾燥対策を強化することも忘れずに。
本日は敏感肌について、原因からケアまでお話しました。敏感肌だと思う方は先天性か後天性か、また自称敏感肌ではないかも含めて改めてチェックしてみて下さい。健康な皮膚は美しい皮膚への大きな一歩になります。毎日のケアを見直して美しい皮膚を目指しましょう。
嵯峨 真輝 (さが まき)先生
学生の頃から小児皮膚科や女性特有の皮膚科疾患に特に興味を持って学んできました。私自身も妊娠・出産を経験し、子供を育てながら医師の仕事を続けております。