2025.12vol.57
寒さが厳しくなりました。今日は様々な顔の皮膚疾患の原因になり得る「顔ダニ」についてお話しようと思います。
聞き慣れないと思いますが、実はほとんどの方の顔の皮膚に生息している、意外に身近な存在なのです。
顔ダニは人の皮膚に生息する小さな節足動物の一種で、ニキビダニ(Demodex folliculorum や Demodex brevis)・コニキビダニの総称です。ダニというとカーペットや布団に住み着きアレルギーの原因となるヒョウヒダニを思い出す方が多いと思いますが、それらとは違う種類です。
顔の皮膚に顔ダニを検出できる人の割合は50%から100%と言われます。つまりほとんどの方の顔に生息しているということです。毛穴や皮脂腺に潜り込んで皮脂や古い皮膚を食べて繁殖します。普段は無害な存在で、無害どころか皮脂量を調整してくれる利点もある人間と共生している顔ダニですが、増えすぎると皮膚疾患の原因となります。
では顔ダニによる皮膚の症状はどのようなものがあるのでしょうか。皮膚の赤み、かゆみ、毛穴のつまりやニキビを発症させることがあります。但し、これらの症状がすべて顔ダニによるものというわけではありません。むしろ他の原因であることの方が多く、皮膚科では湿疹やニキビの一般的な治療を行ったけれど治らない場合に初めて顔ダニが原因ではないかと疑われることが多いでしょう。
そのような患者さんの皮膚を取って顕微鏡で観察すると、ニキビダニ・コニキビダニの虫体を見つけることができますが、もともとほとんどの方に見られるものですので顕微鏡検査を行うことはあまりありません。
では普段無害な顔ダニが、どうして増えすぎると症状が出るのでしょうか。顔ダニ自体や糞に対するアレルギー反応、ダニの持つ細菌によるもの、また死骸が毛穴に詰まることが複合的に皮膚に症状を発現させると考えられています。
次に予防です。
まずは洗顔です。顔ダニの餌となる皮脂や汚れをしっかり落としましょう。朝晩、洗顔フォームを使いよく泡立ててしっかり洗顔します。しかし頻回に洗顔しすぎると乾燥して過敏になりますので逆効果です。
顔ダニは衣類にも生息することがあります。枕、タオルは清潔に保ちましょう。スキンケアは油分と水分のバランスを考え、しっかり保湿しつつ、油分が多くなりすぎないよう気をつけてください。
メイクでのポイントは、なんと言ってもスポンジやブラシを清潔に保つことです。毛穴に詰まるようなメイクは避け、ノンコメドジェニックの化粧品を選ぶと良いでしょう。顔ダニに限ったことではありませんが、皮膚を健康に保つことが皮膚のあらゆるトラブルを遠ざけます。
バランスの良い食事を心がけ、適度な運動と十分な睡眠。紫外線予防も大切です。顔ダニはほとんどの人の皮膚に存在するものであり、普段は無害ですから、残らず駆逐することは現実的ではありません。うまく共存し、増えすぎないように予防すれば良いのです。ちょっとした工夫で予防が可能ですから、是非毎日の生活の中で予防を心がけてみてください。
86g ¥3,300(税込)¥3,000+税
うるおいを残しながら、メイクや油溶性の汚れを溶かし出すクリームタイプのクレンジングです。 肌に適度なうるおいを与え、皮膚表面をなめらかに整えます。
嵯峨 真輝 (さが まき)先生
学生の頃から小児皮膚科や女性特有の皮膚科疾患に特に興味を持って学んできました。私自身も妊娠・出産を経験し、子供を育てながら医師の仕事を続けております。