2025.6vol.54
急に気温が上がってきましたね。今年の夏も厳しい暑さになりそうです。
さて、本日は初夏のスキンケアと題して、この時期の皮膚トラブルやお手入れ方法についてお話ししたいと思います。
初夏のポイントは「気温・湿度・紫外線」です。気温や湿度が上がり、紫外線量も急に上がるのが特徴です。
気温と湿度が上がると皮脂分泌が増えます。皮脂は皮膚表面で薄い膜を作って水分の蒸散を防ぐことで潤いを守り、乾燥や刺激から守る効果があります。
しかし皮脂が多すぎるとテカりや化粧崩れの原因となります。また、ニキビや毛穴のつまりや開き、炎症になることもあります。おでこと鼻、顎のいわゆるTゾーンは皮脂分泌が活発な部位です。
しかし反対に、この時期からオフィスや店舗はエアコンが効いて気温、湿度とも低い状態となっており、皮脂分泌が妨げられて乾燥することもあります。これをインナードライと言うことがあります。歩いてくる間に皮脂は分泌するのですが、そのあと乾燥することで、皮脂の表面はテカり、角質は乾燥する状態を指します。
また紫外線の量や強さも急に増えますのでうっかり日焼けをしやすい時期とも言えるでしょう。紫外線はシミ、シワ、たるみの原因になります。日焼けの影響で皮膚が乾燥したり刺激を感じたりすることもあります。
次にお手入れです。
まずは洗顔。皮脂は皮膚に残ると汚れが付いてニキビや炎症、毛穴の開きを引き起こします。しっかりと皮膚を落とすため洗顔フォームを使って洗いましょう。良く泡立ててTゾーンを中心に洗います。しかし、ゴシゴシこすってはいけません。毛穴に皮脂が詰まる原因になります。また皮脂が多いからとあまりに頻回に洗うのも乾燥の原因になるのでやめましょう。
次に基礎化粧品ですが、皮脂が多いと感じるときは化粧水、乳液ともさっぱりタイプを選びましょう。しかしエアコン対策として保湿は必ず必要です。保湿クリームのベタつきが気になる場合は、塗布後のベタつきが少ないクリームや軽めの乳液タイプが良いでしょう。保湿力があり、使い心地の良い製品を選びましょう。
最後はお出かけ前の紫外線予防です。必ず日焼け止めクリームを使いましょう。日焼け止めも乳液やクリーム、ジェルなど様々な製品があります。顔だけでなく、露出する首、手、足もしっかり塗りましょう。
少しのお出かけならSPF30、レジャーにはSPF50、PA+++以上の日焼け止めがよいでしょう。2~3時間ごとに塗り直すことが必要です。化粧下地やファンデーションにも日焼け止め効果があるものがあります。積極的に取り入れましょう。帽子、日傘、カーディガン、手袋も有効です。合わせて使用することをお勧めします。
体調管理もとても大切です。
エアコンで冷えたり食欲が出なくて栄養が偏ったり、寝苦しくて睡眠が取れなかったりすることで体調を崩すことがあります。体調が悪くなると、ニキビ、湿疹などあらゆる皮膚トラブルの原因となります。しっかり栄養と睡眠をとりましょう。
温度、湿度の上昇と主に細菌や真菌も増えやすい季節です。お使いのスポンジやブラシをしっかり洗って乾かしていつも清潔な状態を保ちましょう。
本日は初夏のスキンケアについてお話ししました。
お出かけにはとても良い季節。正しいスキンケアで初夏も美しく健康な皮膚を保ちましょう。
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嵯峨 真輝 (さが まき)先生
学生の頃から小児皮膚科や女性特有の皮膚科疾患に特に興味を持って学んできました。私自身も妊娠・出産を経験し、子供を育てながら医師の仕事を続けております。