2022.10vol.31
本日は気になるシミのお話をしようと思います。
一般にシミとは「皮膚にできた茶色の色素斑」のことです。
実はシミと一口に言っても、たくさんの種類があります。
一番多いものは加齢により生じる老人性色素斑です。他に雀卵斑(そばかす)、肝斑、炎症後色素沈着、脂漏性角化症などがあります。
一つ一つの特徴や原因、予防についてもお話ししようと思います。
①老人性色素斑
一般的にお年寄りの顔に見られるシミと言えばこの老人性色素斑です。境界がはっきりした茶色い色素斑で、大きさや濃さはまちまちですが、はじめは小さく淡いものが徐々に大きく濃くなります。
紫外線を繰り返し浴びたことが原因で年齢を重ねてから発症します。全身どこにでもできますが、顔や手など日光を浴びやすい所にできやすく、職業やスポーツで紫外線を浴びる方に特に多く見られます。
老人性色素斑の予防は紫外線対策が最も重要です。日焼け止め、帽子、日傘などで防御しましょう。美白化粧品も有効です。
できてしまったシミは淡い色であれば美白化粧品で目立たなくすることができますが、色が濃くなってしまったらスキンケアだけでは難しいです。
皮膚科や形成外科を受診しましょう。内服薬、外用薬、レーザー、光治療が使われることが多いでしょう。
②雀卵斑(じゃくらんはん)
鼻から両頬に数mm 程度の大きさの淡い茶色の色素斑が多数みられるものを雀卵斑といいます。
いわゆるそばかすです。雀の卵の殻の模様に似ていることからその名があります。
老人性色素斑と違い子供の頃から見られ、色白の方に多くみられます。遺伝や紫外線の影響が原因とされます。
紫外線を浴びると濃くなりますので、紫外線対策や美白化粧品で色が濃くなるのを予防すると良いでしょう。治療にはレーザーや光治療、外用、内服が用いられます。
③肝斑(かんぱん)
両頬上部、頬骨のあたりにできる薄い茶色、もしくは灰色の色素斑が肝斑です。境界がはっきりせず、淡く透けて見えるような色が特徴です。原因は不明ですが、妊娠・出産を経て色が濃くなり、また閉経後には薄くなることが多いため、女性ホルモンとの関連があると考えられています。
また、紫外線によっても濃くなります。
老人性色素斑と重なってできることも多く、老人性色素斑と診断してレーザーで治療した場合かえって濃くなることもあるため診断や治療は慎重に行う必要があります。
原因が分からないので予防は難しいですが、紫外線対策や美白化粧品で色が濃くなるのを予防することは可能です。療は内服薬と外用薬が第一選択です。肝斑治療用のレーザーを用いる場合もあります。
④炎症後色素沈着
怪我や虫刺され、ニキビ、湿疹が治ったあとに茶色く色が残ることを炎症御色素沈着と言います。
色は淡く境界ははっきりしません。炎症がおこったことが原因で、炎症の範囲、強さ、治るまでの長さにより大きさや濃さが変わります。
一番の予防は炎症を軽く済ませて早く治すこと、長引かせないことです。炎症ができてしまったら色素沈着になる前に紫外線予防や美白化粧品を使うことも有効です。
炎症後色素沈着は徐々に薄くなりますが、日焼けや刺激を加えることでさらに濃くなり治りづらくなります。治療には外用薬、内服薬、レーザーを用います。
⑤脂漏性角化症
脂漏性角化症は盛り上がり、表面がざらざらしています。正確にはシミではなくイボの一種です。原因は紫外線、加齢です。
紫外線を浴びやすい顔や首、頭皮にできることが多いです。予防には紫外線予防や美白化粧品が有効です。
できてしまうとスキンケアでは治りません。液体窒素による冷凍凝固、また削るタイプのレーザーが用いられます。
シミを訴える患者さんの中には上記の疾患のほかにもいわゆる黒子(ほくろ)やあざ、真菌症の診断がつく場合があります。
シミのように見えても実は腫瘍という場合もあります。
悪性腫瘍(皮膚がん)も発症当初はシミのように見えます。気になるシミは自己判断せず皮膚科を受診することをお勧めします。
シミは年齢を重ねるとほとんどの方にできます。日頃から予防しましょう。それでもできてしまったシミは自己診断せず、皮膚科での正しい診断、治療をうけきれいな肌を保ちましょう。
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嵯峨 真輝 (さが まき)先生
学生の頃から小児皮膚科や女性特有の皮膚科疾患に特に興味を持って学んできました。私自身も妊娠・出産を経験し、子供を育てながら医師の仕事を続けております。