2022.02vol.28
乾燥する季節、スキンケアに保湿は必須です。しかし保湿アイテムは使っているけれどいまひとつ、という方はとても多いです。そんな方は選択肢の一つに今話題の「オイル」を加えてみるのはいかがでしょうか。
オイルとはもちろん「油」のこと。「オイル美容」とも呼ばれ、近年注目されているスキンケアのひとつです。
そもそもどうしてオイルが皮膚に良いのでしょうか。その一番大きな利点は「保湿力」です。
皮膚に塗ると水の蒸発を防ぎ、角質内に水分を閉じ込める保湿効果があります。
乾燥はシワやくすみといった老化を進めますので、保湿することでハリと透明感のある肌を保つことができます。
また顔だけでなく体や髪など全身に使えるものが多いのも特徴でしょう。
次にオイルの使い方です。
お薦めは化粧水の後に使うこと。しっかり水分を保つ為に角質に水分を含ませた直後に使いましょう。
また肌タイプによっても効果的な使い方は異なります。乾燥肌の方は化粧水、乳液、クリームの後に多めに。普通肌、脂性肌の方は化粧水の後1~2滴を手のひらに伸ばして顔全体になじませるようにつけましょう。脂性肌の方はTゾーンを避けて塗りましょう。
製品によって効果的な使い方が違いますのでまずは推奨される使用方法に従ってみてください。
オイルとひとくちに言ってもたくさんの種類があります。
現在よく販売されているオイルは
① 植物由来のオイル
② 動物由来のオイル
③ 鉱物由来のオイル
以上の3種類に分けられます。
① 動物由来のオイルは肌なじみがよく高い保湿力があるものが多いです。乾燥の強い方にお薦めです。昔からよく使われている馬油が有名ですね。魚や鳥由来のオイルもあります。
② 植物由来のオイルはさらっとしていて伸ばしやすく使いやすいでしょう。椿油は古くから髪に使われてきました。他にもホホバオイル、アルガンオイルなどもよく聞きますね。香りを楽しむ方も多いオイルです。
③ 鉱物由来のオイルは白色ワセリンが有名です。安全性が高く、軟膏の基材となります。美容成分入りのものなど多種多様な製品があります。
オイル美容で気をつけてほしい点は4つです。
・使いすぎない
脂性肌の方はかえってニキビが増える原因になりかねません。乾燥肌の方も、最初は少量から使うことをお薦めします。
製品によっては日中使わない方が良いものもあります。
日光でオイルが酸化し、日焼けやシミの原因になることがあります。夜のお手入れだけにオイルを使い、朝は控えることをお薦めします。
・しっかり洗顔する
ぬるま湯洗顔では油分が残り、酸化や刺激の原因になりかねません。しっかり石けんや洗顔フォームを使って油分を落としましょう。
・荒れた肌には使わない
オイルが刺激になり肌荒れ(炎症)が悪化することがあります。また荒れた肌から体内にオイルの成分が入ることでアレルギー発症の原因になることもありますので注意しましょう。
・赤みやかゆみが出る場合は使用を中止して皮膚科へ
オイルに限ったことではありませんが、接触皮膚炎(かぶれ)が起こる可能性もあります。使い始めは少量を肘の内側などにつけて問題が無いことを確認してから顔に塗るようにしましょう。
スキンケア製品の中でもオイルは特に好き嫌いの分かれる印象があります。全身に使えるのがとても便利で手放せない、という方もいらっしゃれば、油っぽいのがどうしても抵抗があるというお声も聞きます。
いろいろな製品がありますのでお好みに合うものがあれば是非試してみてくださいね。
嵯峨 真輝 (さが まき)先生
学生の頃から小児皮膚科や女性特有の皮膚科疾患に特に興味を持って学んできました。私自身も妊娠・出産を経験し、子供を育てながら医師の仕事を続けております。