2020.07vol.15
汗ばむ日が増え、日差しが気になる季節となりました。
皆様は日光を浴びてかゆくなったり痛くなったり、赤みが出たりすることはありませんか。そのような症状がある方は紫外線アレルギーかもしれません。
本日はこの季節に良く皮膚科外来で拝見する紫外線アレルギーについてお話しいたします。
紫外線アレルギー、これは実は俗称で、皮膚科で使う正確な診断名は光線過敏症です。普通の肌の方でも過度に日光(紫外線)を浴びますと通常の日焼けの反応で赤みや痛みがでます。
しかし、普通の方なら症状が出ないほどの量の紫外線を浴びることで、皮膚に症状が現れる場合に光線過敏症という診断がつきます。症状で一番多く拝見するものは赤み、かゆみですが、水疱(水ぶくれ)や丘疹(ぶつぶつ)、色素沈着、じんましんなどいろいろな症状がおこります。
光線過敏症は紫外線が原因で症状が出る様々な疾患の総称ですので、様々な病態があり細かく分類されます。 一般に紫外線アレルギーと呼ばれるものはそのなかでも、直接皮膚に紫外線を受けることで症状が現れる日光蕁麻疹・多形日光疹・光線性皮膚炎を指すことが多いでしょう。 では紫外線アレルギーの症状を予防することはできるでしょうか。
はい、もちろん可能です。
この疾患の原因はただ一つ、「紫外線」ですので、日光を浴びない、もしくは浴びる量を少なくすることで予防ができます。昼間に外出する際は長袖の衣類を着用し、帽子や日傘、手袋で紫外線を防御しましょう。
日当たりの良い室内でも症状が出る場合はカーテンやUVカット効果のあるレースを使って窓からの日光をできるだけ防ぎましょう。 日焼け止めの使用は大変有効です。多くの種類が市販されていますので肌に合うものを使うことをお勧めします。
紫外線アレルギーのある方はもちろん、無い方にとっても、UVケアは大変重要です。外来でも、UVケアと保湿は年間通して行うことをすべての方に推奨しています。 正しいケアでこの季節の外出を楽しみましょう。
嵯峨 真輝 (さが まき)先生
学生の頃から小児皮膚科や女性特有の皮膚科疾患に特に興味を持って学んできました。私自身も妊娠・出産を経験し、子供を育てながら医師の仕事を続けております。