2019.10vol.11
冬が到来し、街では華やかな飾りつけを目にするようになってきました。 うきうきするシーズンですが、寒い時期は乾燥の季節でもあり、皮膚科では乾燥肌の相談が後を絶ちません。 本日はそんな冬の乾燥に対する保湿対策についてお話ししたいと思います。
日本では秋から急激に湿度が低下し冬に最も空気が乾燥します。乾燥した空気は水分を奪うため、皮膚表面の角質内では水分量が保てなくなります。水分が足りなくなると角質間の保湿因子も減少し、皮膚のバリア機能や保湿機能が低下します。そしてさらに乾燥が進み、肌荒れが出ることも...。ですから乾燥させないことがとても重要なのです。
では、どのようにして皮膚の乾燥を防げば良いでしょうか。 加湿器の使用やエアコンの暖かい風に直接当たらないようにすることも効果的ですが、一番手軽で効果が高いのは日々のお手入れに保湿力のある基礎化粧品を使用することでしょう。
この時期は特にクリームをお勧めします。クリームは一般に基礎化粧品の中でもっとも保湿力の高いものです。皮膚の乾燥が続くと角質が厚くなり、基礎化粧品の皮膚への浸透が悪くなります。肌の表面は一時的にしっとりしても角質の深層には乾燥が続く場合があるのです。そんな時は化粧水でしっかり水分を補ってからクリームで保湿をしましょう。クリームは油分が多いので、化粧水の後に使うことで蓋をするように水分を皮膚に閉じ込め、角質の深部まで保湿する効果があります。
次にクリームの使用方法です。ポイントは3つ。 ひとつめのポイントは使う時間です。クリームは夜だけ使う方も多いと思いますが、乾燥する冬は日中も保湿が必要です。朝晩使用しましょう。 次のポイントは使用量です。必要な量をしっかり使いましょう。少ないと効果が不十分となります。製品に添付の一回使用量を参考にしてください。
最後は塗り方です。クリームを指に取ったら額、鼻の頭、両頬、あごの五点に置き、指の腹全体を使って塗り広げましょう。擦ったり何度も塗り込んだりする必要はありませんので、全体にまんべんなく伸ばしましょう。乾燥しやすい目元、口元までしっかりと、ただし目に入らないようにお気を付けください。
女性は男性に比べ皮脂分泌が少ないため乾燥しやすく、また年齢を重ねると乾燥が強くなります。 冬だけでなく、年間通じてクリームをお使いになることをお勧めします。
クリームで保湿をすることで乾燥や肌荒れを防ぐことはもちろん、小じわを防いで透明感のある肌を目指すことも可能ですので、エイジングケアに着目したクリームも人気です。ほかにも保湿力の特に高いもの、伸びが良く使いやすいものなど様々な種類がありますので、お悩みに合った製品をお使いになってください。 寒い冬も保湿対策をしっかりして健やかな肌を目指しましょう。
27g ¥18,000(税抜)
メラニンの生成を抑えて、肌にみずみずしい輝きとうるおいを与える薬用美白*クリームです。
*美白とはメラニンの生成を抑えて、シミ・そばかすを防ぐことです。
嵯峨 真輝 (さが まき)先生
学生の頃から小児皮膚科や女性特有の皮膚科疾患に特に興味を持って学んできました。私自身も妊娠・出産を経験し、子供を育てながら医師の仕事を続けております。