2019.05vol.7
暖かくなってきましたね。春は新生活やお出かけなどで、メイクをする機会が増える方も多いのではないでしょうか。しかし、春は肌が敏感になり易い季節でもあります。そこで今回は敏感肌のメイクについてお話ししたいと思います。
皮膚科での敏感肌の明確な定義はありませんが、一般的には皮膚にかゆみや痛みが生じたり赤みが出たりしやすい状態を呼ぶことが多いようです。
さまざまな内的要因や外的要因によって、皮膚のバリア機能が低下し、肌が乾燥し刺激に敏感になっている状態が敏感肌です。
角層の中に水分をたくわえるセラミドやNMFが少なくなると角層の中の水分が減少して肌が乾燥します。乾燥すると少しの刺激にも過敏に反応しやすくなり、強くなってきた紫外線や花粉の影響を受けて炎症を引き起こします。
そんな敏感肌を抱える方から、メイクをしたいけれどどうしたら良いでしょうか、とご相談されることが多くあります。
以前、メイクは敏感肌の症状を悪化させると考えられており、皮膚科ではノーメイクを勧めていました。しかし現在は敏感肌用の化粧品が増え、心理的、美容的な面からも肌に合った化粧品を使ってメイクをすることを推奨されています。
敏感肌にお勧めのメイクのポイントは以下の3点です。
1. スキンケアをしっかり
2. 敏感肌のトラブルはメイクでケア
3. ポイントメイクを効果的に
では詳しくご説明していきます。
1. スキンケアをしっかり
敏感肌の方はメイクの前のスキンケアがとても大切です。手を抜かずにしっかりといたしましょう。大切なのは以下の3点です。
・優しい洗浄料できちんと洗顔
・保湿効果のある化粧水、乳液でしっかり保湿
・強くなってきた紫外線を日焼け止めでカット
スキンケアをきちんとすることで敏感肌が改善され、メイクののりが格段に良くなります。日焼け止めはUVカット成分が含まれる下地で代用しても良いでしょう。
2. 敏感肌のトラブルはメイクでケア
敏感肌で起こりがちなトラブルのいくつかは化粧下地で解決することができます。赤みが気になる方はコントロールカラー、カサカサが悩みの方には保湿成分の入った下地を。キメを整える作用のある下地もあります。一度に多量につけるとムラができますので少量ずつを指で丁寧につけましょう。
ファンデーションは擦らず、乗せるようにしてつけましょう。
敏感肌の方はファンデーションによるムラや化粧浮きがでやすいので、ファンデーションを塗らずに、気になる部分をBBクリームやコントロールカラーでカバー、パフを使って全体にフェイスパウダーを使うだけでもキメの細かい肌に整えることができます。
3. ポイントメイクを効果的に
眉、アイシャドウ、口紅といったポイントメイクはメイク面積の割に印象が大きいのが特徴です。敏感肌でファンデーションが塗れなくても、ポイントメイクをしっかりしているときちんとメイクをしているように印象付けられます。目の周り、唇は特に敏感肌の症状が出やすい部分です。発色の成分が肌に合わない場合もありますので、かぶれにくいものを選び、できれば試してから購入することをお薦めします。
暖かな美しい季節、肌に合ったメイクでお出かけを楽しんでみてはいかがでしょうか。
嵯峨 真輝 (さが まき)先生
学生の頃から小児皮膚科や女性特有の皮膚科疾患に特に興味を持って学んできました。私自身も妊娠・出産を経験し、子供を育てながら医師の仕事を続けております。