2018.06Vol.2
暑くなってきましたね。
夏の肌は乾燥しにくいためお手入れに手を抜きがちですが、強い紫外線や皮脂の影響による肌荒れも良く見られますので毎日のお手入れを忘れずにいたしましょう。
さて、本日は化粧水についてお話ししたいと思います。
これからの汗ばむ季節には特に、化粧水をつけることはさっぱりしてとても気持ちの良いものです。
一日の始まりである朝の洗顔後と、お休み前の入浴後、化粧水は気持ちをすっきりさせますよね。
一般に化粧水とは保湿により肌荒れを防ぐもので、主成分は水(精製水)です。多くはアルコールや保湿成分、美容成分も加えられています。日本ではほとんどの方がお使いになる化粧水ですが、実は海外では化粧水を使わない方のほうが多いのです。その理由は日本人の肌のお手入れの歴史と日本のきれいな水にあると言われています。
江戸時代から日本人は肌のお手入れやお化粧に井戸水やヘチマ水などの化粧水を使用してきました。
日本では各地できれいな水が採れることもあり、肌に水分を与えて保湿をするという考えが古くから根付いています。
ところが欧米では皮膚の保湿は初めからクリームなどこってりした油分のあるものを使う考えが一般的で、化粧水を使う習慣がないようです。海外の化粧品メーカーの化粧水は日本向けに作られた製品が珍しくありません。
患者様から、「化粧水は使った方が良いのでしょうか」とご質問を受けることがあります。
必ず使わなければいけないものではありませんが、私はお使いになることをおすすめしています。
特に乾燥肌の方はお使いになったほうが良いと考えます。
何もつけていない肌は角質が乾燥して硬くなっています。化粧水をつけることで角質に水分が浸透し、柔らかくする作用があります。化粧水で柔らかくなった肌にその後の乳液や美容液、クリームなど全体になじみやすく均一に塗ることができます。また乳液の油分で化粧水の水分の蒸散を防ぎます。
化粧水は洗顔後に手でつけるかコットンで優しくつけましょう。こすったり、プレスしたりすると肌に負担をかけることがあるので気をつけましょう。その後すぐに乳液や美容液をつけることも乾燥を防ぐために重要なポイントです。化粧水は洗顔後、一番素肌に近いところにつけるものです。
保湿、美白、収斂(しゅうれん)、低刺激、整肌など、いろいろな効果のある製品があります。
ご自分の肌の悩みに合ったものをお使いになることをおすすめします。
嵯峨 真輝 (さが まき)先生
学生の頃から小児皮膚科や女性特有の皮膚科疾患に特に興味を持って学んできました。私自身も妊娠・出産を経験し、子供を育てながら医師の仕事を続けております。